久しぶりにチェコ風クレープを作ってみました。
2013年に子どもたちを連れて3週間チェコに滞在したとき、
知人から習ったもの。
バターでカリカリに焼いたパン粉
ヨーグルト
ベリーソース
砂糖をかけるのがチェコ風なんだそうです。
思い出の味だからか、うちの子たちは大好き。
ヨーグルトでなく、本当はもう少し油分の多い
サワークリームに近いスメタナというクリームを添えると教わったのだけど、
普段は水切りヨーグルトで代用しています。
クレープは、少し厚めに。
パンケーキとの中間くらいに仕上げてもっちり食感を出すほうが
かりかりパン粉+ヨーグルトとは相性がよい気がします。
もっちり厚めのクレープ(直径20cm 6〜8枚分)
卵 2個
砂糖 大さじ2
牛乳 300ml
薄力粉 200g(2カップ)
バター(菜種油でも) 大さじ2
1 ボウルに、薄力粉と砂糖を入れ泡立て器でよく混ぜる。
2 牛乳を加えて混ぜ合わせ、卵も割り入れてよく混ぜ合わせる。
3 溶かしバター(菜種油)を加えて混ぜ合わせる。
4 フライパンを中火で熱し、バターか菜種油(分量外)を広げ、3を流し込んで焼く。
一昨年、東京都文京区主催の
「世界の料理をつくろう」講座でも作ったデザート。
「初めての味!
想像できなかったけれど、本当に美味しい」
「家でパンケーキなどでも試したい」
と、講座でも大人気でした。
かりかりパン粉とヨーグルトの組み合わせに警戒される方もいらっしゃいますが、
いちど食べると、その美味しさにはびっくりされます。
日本の食材でかんたんに作れ、
変わったスパイスなどを使っているわけでもないので
日本人の口にも、実はよく合うお菓子です。
フライパンにバターを溶かし、バターの倍量くらいのパン粉を入れ
うっすらきつね色になるまで炒めます。
そのパン粉のかりかり感と、上からかける砂糖のじゃりじゃり感の組み合わせが楽しい。
そこに少し酸味のあるヨーグルト(サワークリーム)が混じり、
素朴だけれど、ふくよかな美味しさが生まれるのです。
お好みでヨーグルトをホイップクリームに変えても。
日本人のイメージするスイーツにより近づきます。
講座のときには、下の写真のように「クネドリーキ」で作りました。
「クネドリーキ」とは、
肉料理や、下の写真のチーズフライなどに
主食として添えられる、ゆでパンのようなもの。
クレープやパンケーキのほか、そのクネドリーキの残りものにも、
かりかりパン粉、ヨーグルト、ベリーソース、砂糖をかけて食べるのだそうです。
このクネドリーキ、小麦粉だけで作ることもあれば
ゆでたじゃがいもと小麦粉を混ぜて、イタリアのニョッキのような生地で作ることも。
いずれにしても、大きななまこ形にまとめ、大鍋で20〜30分かけてゆで、
切り分けて食べるのが特徴。
作り方によって、もっちりにも、ふんわりにも仕上げられるユニークな主食です。
チェコに滞在中、レストランでもよく食べました。
浦沢直樹のマンガ『モンスター』の中に
こんなシーンがあります。
「今晩のお食事、クネドリーキでよろしいですか?」
「ああ……アナさんのクネドリーキは、みなの大好物だ」
読んだ当時、チェコ好きの友人が
「クネドリーキはメニュー名じゃない!」と言っていたことの意味を、
チェコで実物を見て初めて実感したものです。
クネドリーキは、単体で食べることはできない白米みたいなものでした。
(それにしても『モンスター』は名作です! 読んだことのない方はぜひ。
ちなみにチェコに初めて行ったときの感想は
カフカの『城』の世界まんまやなあ、と、
『モンスター』でも見たまんまや! でした。
本で読んだイメージと、マンガで読んだイメージで
わたしの中でのチェコ像は出来上がっていたわけですが
それがほぼ実物と相違なかったことに感動しました)
主食がそのままデザートに応用されるのは面白いですよね。
日本のお米にはあまりないアレンジです。
(五平餅などはありますが)
以前、フィンランドの料理教室に参加したときにも
やはり、残ったパンはプディングにしていました。
パンプディングやフレンチトーストなど、
ヨーロッパ各国のパン類の活用法は、聞くたびにその知恵に感心します。
と、ついついまた長くなってしまいました。
いつも長話におつきあいいただいてありがとうございます。
食べものの話って、ほんとに尽きないんですよね。