【私の好きな料理本リレー】
SNSで回ってきたバトン。
ブログにも転載します。
わたしのおすすめはこの3冊。
このお三方にとっての暮らしと料理がじっくり語られていて、何度も読み返す本。
レシピを知ることよりも、
その料理にこめられた思いや作り続けてきた背景などが感じられる本が好きです。
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『きょうも、おいしかったね』ジョン・キョンファ(主婦と生活社)
96年初版。
第一次韓流ヨン様ブームのときに大変お世話になりました。
朝鮮料理モランボン流師範、ジョン・キョンファさんが食べて育った伝統の味、
子育てしながら生まれた家庭料理などが紹介されています。
調味料として登場する「アミの塩辛」をどうしても使ってみたくて、
会社帰りに大久保まで買いに行ったものです。
最近は、高校生の娘が持ち込んできたK-POPの「SEVENTEEN」やら
ドラマ『恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ』のおかげで、
わが家は第二次韓流ブーム真っ最中!
3月初めに新大久保に行った娘に「アミの塩辛」は買ってきてもらっているので、
一緒にいろいろ作ってみたいと思います。
朝鮮韓国料理の基本として、わかりやすく作りやすい本です。
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『私の作ったお惣菜』宇野千代(集英社文庫)
文庫版初版94年、書籍の初版は86年。
「若い頃、東京の銀座で、お弁当屋さんをやりたかったほどの料理好き」で
月に三升(!)の料理酒を使い切るという宇野千代さんのお惣菜の数々。
あっけらかんとした語り口であっという間に読み進める一冊です。
東郷青児と暮らしていた時代におもてなしに出したカレーについて
「いままでに、こんなに素敵なカレー・ライスがあったでしょうか。
そう思いますと私は、この思いつきに、もう、夢中になって了いました。
それから夢中になった序でに、この上はただ見掛けだけではなく、
頬っぺたも落ちるような旨いカレーにして、みんなを吃驚仰天させてやろうと、
張り切って了ったと言うのですから、我ながら、呆れ返るではありませんか。」
なんて書かれると作りたくなってしまうでしょう?
こんなに明るく人生を楽しみ、
ポジティブに過去を振り返れる人でありたいという憧れの女性です。
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『日本のごはん、私のごはん』ホルトハウス房子(文化出版局)
98年初版。
Pen編集部時代にお世話になったカメラマンさんから
「ホルト先生のごはんがやっぱりいちばん美味しいんだよね」
とお聞きして、その味を知りたい! と熟読した本です。
西洋料理を専門とされているホルトハウス房子さんが、
あえて見つめ直す日本のごはん。
凛としたお姿と語りに背筋が伸びる気持ちになります。
ちらし寿司の具を、れんこん、干ししいたけ、かんぴょうと
種類ごとに味をかえて煮る丁寧なレシピは、日頃はとても実行できないけれど、
この基本があるからこそ日々ここまで省いて作っている、
と自身の時短料理の道筋を振り返らせてくれます。
大切な教えの一冊。
Penの特集で、北鎌倉のお宅まで緊張しながら取材に伺ったことは一生の思い出です。
お菓子の本も愛読しています。