バルテュス展でメレンゲを買いました。
上野の東京都美術館で開催中の
「
バルテュス展」に行ってきました。
(6月22日まで開催中)
子どもたちには、さほど面白い展示ではなかったようで、
美術館が貸し出してくれる、子ども用(といっても中学生まで)の
お絵かきボードで妖怪を描いたり、モンスターを描いたり。
「少しは絵もみたら。ボードは預かっておこうか?」
という夫と、難しいお年ごろの娘はバチバチな状態になったりして・・・。
わたしとしては、
興味がないものを無理強いしても・・・という気持ちがありつつ、
でも
「ANAP(洋服屋)だったら何時間でも見られるのに」
と、ふくれる娘を見ると張り倒したい気持ちになったり。
だって、肝心の絵は、というと。
薄っぺらい大量生産の流行服のお店と比べるなんて、
うちの娘はアホか!
と思わざるを得ないほどの圧を放つ、厚みのある絵でした。
わたしが、バルテュスさんの絵が大好きか、と言ったら
「うん」とは、すぐには言いがたいのですが、
それでも、一生を絵に捧げた人のすごい作品だ、ということだけはわかる。
「20世紀最後の巨匠」
というコピーも煽りでもハッタリでもありませんでした。
(まさか美術館が、煽りコピーを書いているとは思いませんが、
話半分と思わなくてはならないようなコピーが世の中には多いですよね、この頃。)わたし個人がとても心打たれたのは、
バルテュスさんの、生涯をかけて絵を描いてきた姿勢でした。
90いくつでなくなるまで
タバコを吸い続け、絵を描き続け、画集を見て勉強し続けた画家。
自分は芸術家と呼ばれるのは好まない、わたしは絵を描く職人だ
というような言葉が残されていましたが、
それが許される才能と環境とを持ち、見事にそれを生かし切った人。
いま、夫の絵をもっと多くの人に見てもらいたい、と
絵を描くことと、描き続けること、暮らすことの意味を
ずーっと考えているから、そこが気になったのかもしれません。
晩年を過ごした、スイスの「グラン・シャレ」のアトリエの再現もあります。
バルテュスさんの最後の奥さまは日本の方。
節子さんは、文筆家でもあり、
素敵な暮らしぶりが女性誌などにも載っているので
ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
「バルテュス展」のミュージアムショップでは、
節子さんがスイスのおうちで作っていらっしゃるという、
スイス式メレンゲが販売されています。
晩年を過ごしたロシニエール村付近の名産なのだそうです。
再現しているのは、フランス菓子の「
ル・ポミエ」。
http://madamefigaro.jp/sweets/2012/01/22417.html軽井沢で毎年夏に開かれる「
スイーツ博」にも出店している
東京を代表するパティスリーのひとつです。
さて。
そのスイス式メレンゲは、しっかりと甘い!
節子さんは、ダブルクリームを添えて、濃い紅茶と一緒に供するのだそうです。
ダブルクリームとはイギリスでのクリームの分類で、
48%の乳脂肪分を含むクリームのこと。
つまり、日本の生クリームは45〜47%の商品が多いので、
ほぼこれで代用できるというわけです。
今回の展示の打ち合わせ時に、節子さんがふるまわれたという
メレンゲとお茶の写真が飾られていましたが
和の食器(おそらく骨董)を上手に使ったセッティングの美しいこと!
美術館内だから、と遠慮して写真を撮らなかったことが悔やまれます。
わたしは、普段はコーヒー党ですが、
このメレンゲはバルテュスさんと節子さんに敬意を表して紅茶で。
(「バルテュス展」では、オリジナルブレンドの紅茶も販売されています)
2014年6月22日まで上野の東京都美術館で展示中。
お越しの際には、メレンゲのチェックもお忘れなく!